グリンのおもしろダイアリー

趣味のこと、大好きなジュリーのこと、家族の面白かった会話など、覚えておきたいことを書き留めて行こうと思います。

ジュリーの映画から入った奥田英朗さんの小説

ジュリーの映画から、自然と原作も楽しんでいる私です。

奥田英朗さんの小説を読むようになったのも、ジュリーが主演した、「最悪」がきっかけ。

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この映画の中でジュリーは、小さな工場(こうば)の経営者を演じていました。借金をして機械を購入し、しかし音がうるさいと、あとからできたマンションの住人から苦情が来て・・・踏んだり蹴ったりの零細企業のおやじを好演していました。

この「最悪」から入って「邪魔」「無理」‥‥(笑)どれも本の題名なんですよね。

なんつうか、やりきれないとか、何やってもうまくいかないとか、うだつが上がらないとか、市井の人々の「なんでこうなるの?」をなんともうまく書いてるというか。

ここに書いた本はいずれも(上・下)二冊の、長編大作。ぐいぐい引き込まれます。

奥田英朗さんは私と同い年で、時代背景の描写がとてもイメージしやすいんですよね。スッと入って来る。

短編集も面白いし、コミカルなのもお得意ですが、私は長編が好きだな~。

今回読んで良かったのは、「オリンピックの身代金」

ここでいうオリンピックは、1964年の東京オリンピック。東京は新幹線が開通し、首都高速ができ、戦後の復興を果たしたことを日本が世界に示そうと必死で取り組んだ大会。先だって行われた東京オリンピックとは、国民の盛り上がりが全く違っていたんですよね。だって、これを見るためにテレビを買ったりしたわけですから。高度経済成長真っただ中のいけいけどんどんな時代。戦後復興した日本を見せる大会。一方でこの復興の陰には多くの犠牲が払われていて‥‥その闇の部分に光を当てた小説です。

日本武道館や競技場を作るのにどれだけの地方からの出稼ぎ労働者が命を落としたのか。下請け、孫請け、安い賃金から地方に住む家族に送金する労働者。長時間労働ヒロポン覚醒剤)に手を出し、給金を賭博に持って行かれ。

今、大阪で開かれる万博が工事が進まなくて大変なことになってるらしい。残業枠をこの事業に関しては撤廃するとか言い出している。この小説に今の日本をダブらせてみたのは私だけだろうか。

 

こんな小説なら大抵は映画化かドラマ化されてるんだろうと思って調べてみたら、やっぱりありました。しかもすごい豪華キャスト。テレビ朝日の開局55周年を記念して2013年の11月に放映されたらしいが、その直前の9月に2020年の東京オリンピック誘致が決定したというのは偶然なのか?必然なのか?オリンピックに限らず、いろんなことにダークサイドはあるものだが、こういう視点を持ってオリンピックを開催するのは逆に必要なことかもしれない。

このドラマ、主演は、竹野内豊松山ケンイチ唐沢寿明沢村一樹速水もこみち‥‥豪華な俳優陣。しかも、サリー(岸部一徳さん)が出てる!最高警備本部の幕僚長役!なるほど、こういう役はサリーならでは。

笹野武史さんも出てるやん。スリの役で((;^_^A)でも重要な役なんだよね、この役柄は。

へー、このドラマ、見たいな~。